2012年7月25日「坪井遊水地にアサザを探すも」|「アサザに会えた」→

2012/07/25/酷暑の中 坪井遊水地にアサザを探すも
 
東京から陣野君の花便りにアサザが含まれていました。
 
合志君がいち早く反応しました。 「アサザは見たことがありません。見たいです。図鑑によると本州〜九州に生育と書いてあります。良く行く樫原湿原にはありません。九州は一体どこに。」。
 
Riroも見たことがありません。インターネットで調べると、熊本県、福岡県両県とも絶滅危惧種1A類(CR)と最高ランクの希少種です。これは是非とも見たいと思っていたら、
 
宮崎君から「アブラメさんアサザは坪井川の遊水池に群生していて間もなく黄色いカーペットが出現します。開花期間は1ヶ月はあると思いますので訪ねてみて下さい。」と、メール。
 
Riroは 翌朝、もの凄く暑いかんかん照りの中を長靴を履いて出かけました。遊水地の脇にあるテニスコートの駐車場に車を置き、遊水地を見渡すが、黄色い花が一つも見つかりません。場所を間違えたかなと宮崎君に携帯で連絡を取ると、遊水地の最上流にあるとのことです。さー歩き出したのはいいのですが、阿蘇の草原湿地とは違い、熊本市内の暑さは長靴履いて炎天下歩くのはとてもじゃありませんが、たちまち足から頭から暑くなり、凍らせたアクエリアスを首筋にあて、両頬にあて、額に当て、頭のてっぺんにあて、飲み込みながら、遊水地の堤防上を歩きますが、黄色い花は見つかりません。先の豪雨で流されたのか、花期が5〜7月とあるので、暑い熊本ではとうに過ぎてしまったのではないだろうかと、思いました。
 
帰化植物はどこにでもあります。1.8メートルほどのアレチハナガサがたくさん咲いていました。
 
とうとう、遊水地の最上流まで来ました。ここまで来たら、とことことん行けるところまで、行くことにしました。 そこには、清水校区との立て看板がありました。綺麗なスイレン!!!。黄色のアサザは見ることが出来ませんでしたが、見事な黄色のスイレン見ることが出来ました。暫し、「モネのスイレン」を思いながら写真を撮りました。

2012/07/26訂正:スイレンではなくてハスでした。
睡蓮と蓮の見分け方については→ ここをクリック
2012/07/26/再度の訂正です。 宮崎君から「貴兄の写真を見る限りでは、葉に切れ込みが有りますのでスイレンのようですね。葉っぱが水面から僅かに出ているものもあり、立葉もどきの格好にもとれますが、通年で見ますと今以上に立ちあがった格好は見たことないように思います。梅雨が明け水面高さが下がったことによる一時的現象かなと思います。 」とのメールを頂きました。
Riroが撮影した写真を原寸大で見たら切れ込みがありました。宮崎君の観察力の凄さに脱帽です。部分拡大と2枚の写真を改めて追加します。
宮崎君からその後もメールがありました。「念のため現地確認をしてきました。あの池の花は、ピンクも黄色もすべてスイレンです。立葉もどきの状態になる原因は、水かさと言うより、葉の立てこみ具合です。混み合っていると競り合って水面まで茎が傾けないと言うことです。葉の切れ込みは、葉が水面にペたっと広がって浮くための仕掛けだと気が付きました。切れ込みが無いと葉はすり鉢状のまま水に浮くことになりますので、雨などが降ると水がたまって沈んでしまい窒息します。水面にぺたっと広がっておけば水をかぶっても水はころころと転がって落ちてしまいます。いつもながら、環境適応進化の合理性には感心させられます。

 
帰りは、反対側を歩きましたが、結局、アサザは見つけることが出来ませんでした。しかし、今回はじめて遊水地周辺を回り、遊水地の作り方、九州北部豪雨で坪井川流域の氾濫が抑えられたことは, その効果が発揮された実証であり、公共工事の真髄を見た思いがしました。
 
坪井川で見つけることが、出来なかったので、昼からは江津湖へ向かいました。熊本記念植物採集会の方が公園管理事務所に勤務されています。お話を伺うことが出来ました。「以前、公園だからということで江津湖で植栽をした時期があったが、いつの間にか、持ちさられて、あちこちに散らばった。これは、希少種であるアサザにはあってはならないことであるという話が出た。そこで、自分が植栽したのだから、自分の責任で江津湖のアサザは全部処分した。自分は熊本県のどこに自生のが咲いているのか知らない。」とのことでした。「坪井の遊水地にあるそうですよ」と、話すと「清水校区のと同じ。誰かが植えっただろう」とのことでした。
 
がっかりして、昨年見た「ミズアオイ」の現地を見に行ったら、先の豪雨で河原が大変荒れていて、堤防から降りるのを止めて帰りました。
2012/02/26/追記 アサザについて
昭和44年3月30日 発行 「熊本県植物誌」には
「平地ノ池溝 稍普通: 各地」と記されています。
 
熊本県発行 「レッドデータブックくまもと 2009」には
絶滅危惧種TA類(CR)
生育状況「1960年代以前は県内の平野部各地に見られたと言われるが、確認記録があるのは熊本市と錦町だけである。近年、熊本市の数ケ所で生育が確認されているが、発生状況から推察して、栽培個体の逸出と思われる。本来の自生種は絶滅または絶滅寸前の状況と思われる。」と、記されています。
遊水地 アレチハナガサ スイレン ハスとスイレン


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