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国指定天然記念物 立田山ヤエクチナシ自生地は環境自体が天然記念物と指定されています。中学時代の級友5人で「日本の赤十字活動発祥の地」とある拝聖院に咲くヤエクチナシ、立田山の自生地、泰勝寺跡立田山自然公園、他を訪ねました。後日、熊本市文化財課 熊本市立博物館 熊本市立図書館で多くの事を教えて頂きました。感謝申し上げます。
平凡社 「日本の野生植物」 木本 クチナシ
「熊本市で野生品の八重咲品が見つかっているが現在一般に栽培されている八重咲品は、古く中国からヨーロッパに渡って改良されたもので、花が大きい。」
「朝日百科 植物の世界」 クチナシ
「変種に花全体が大きく、八重咲きのヤエクチナシ G jasminoides var. ovalifolia がある。中国のほか、日本では九州で古くから知られ、熊本市の立田山では、国の天然記念物に指定されている。」


「熊本県植物誌」 クチナシ
「またヒゴヤエクチナシ f. assiana Maeda は国の天然記念物に指定されている・・・  熊本県の天然記念物の項54頁を参照
「熊本県植物誌」 国指定天然記念物
立田山ヤエクチナシ自生地 熊本市黒髪町 昭和4年4月2日
クチナシの八重咲品で、自然現象でこのようなものができたことに価値がある。戦時中に山林が伐採されたので最初に発見された付近では見られなくなったようだが、山麓の泰勝寺などにかって挿し木された苗が相当大きい株になっている。現在ではヒゴヤエクチナシという和名がつけられているが、指定された当時はその名がなかったので、天然記念物としては当時のまゝの名が残っている。」

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森林総合研究所 OB Y.N.様 のお話しから概要 2010年6月15日
自分が見たのものは昭和48年自生地にて。
昭和50年東京転勤になるまで毎年現地で確認した。
昭和57年東京から帰ってきて現地を訪れると目指す株は掘り返されて見つけることが出来なかった。
爾来、本年まで必死に天然記念物として指定された自生地(約2町歩)で探している。
トンボ池近くには植栽されたのを3株ほど見ている。
自生地で見つけた、その一株から挿し芽をし育て成体の保護に努めている様子が 森林総合研究所 林木育種センター 九州育種場にアップ。

熊本市文化財課にて
昭和37年12月10日 発行所 社団法人「大日本山林会」
特殊の群落と自生地 (303) 立田山ヤエクチナシ自生地
現状
普通の八重咲きと異なり、花弁の重なりようがまちまちで、簡単なものは花弁が交互に重なり、花冠が三重となり、これに完全な雄蕊、雌蕊があってよく結実するが、複雑なものは複花冠である上に雄蕊も雌蕊も弁化し、よじれて見事な八重咲きとなっている。
(本の題名が解らなかったので森林総合研究所で聞くと現物がないが「日本老樹名木天然記念樹」でしょうとの事。)
熊本市文化財課にて
「30年のあゆみ」農林省林業試験場九州支部 昭和52年12月1日発行
昭和4年に、野生八重クチナシ発見の前期論文において。浅井氏は通常のクチナシの八重のものとされただけで、新学名はつけられなかった。戦後になって、熊本大学在勤中、昭和27年に他界されたが、昭和30年になって、仝大学の助手であった前田正之氏が、クチナシの1品種として、Gardenia jasminoides Ellis Forma Asaiana Maeda の学名とヒゴヤエクチナシの和名をつけて熊本大学紀要に発表された。
上記学名は図鑑では見つけることが出来ませんでした。
ネット上では「ヒゴヤエクチナシ」で、熊大薬学部のデータベース上と思われるページにあります。
http://www.pharm.kumamoto-u.ac.jp/flower/ysDB/hi.html
熊本市文化財課にて
昭和48年7月5日 熊本博物館 調査報告から
山道から花が見えるので、花は摘み取り、博物館に持ち帰って液浸標本にした。
本年度2回の調査で、先年発見されたヤエクチナシ1株は健在であることを確認したが、新しくヤエクチナシを発見することは出来なかった。

熊本市立熊本博物館にて
ヤエクチナシの液浸標本及びさく葉標本の撮影
平成22年6月23日「熊本博物館資料の特別利用許可」を頂きました。お礼申し上げます。
6月25日 博物館で撮影しました。
さく葉標本は博物館のホームページにあることを教えて頂きました。
ヤエクチナシの液浸標本(ラベルなし)の写真だけをアップします。
下の2枚の写真は、熊本博物館から二次利用が禁止されています。

(Photo: © Riro Yoshioka)
(Photo: © Riro Yoshioka)
花の後ろに見える赤っぽいのは花につけた重しだそうです。
昭和48年当時の花びらを見ることが出来たのは驚きです。

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Photo:
(Photo: © Riro Yoshioka)
立田山頂上付近 「立田山ヤエクチナシ自生地」という看板はありますが、花は見つけることができません。

Photo:
(Photo: © Riro Yoshioka)

 
Photo:
(Photo: © Riro Yoshioka)
拝聖院の和尚様にヤエクチナシの説明を頂きその後お寺の歴史を話して頂きました。


Photo:
(Photo: © Riro Yoshioka)
自生地に咲いている本体から挿し木により育てられ保護されています。
Photo:
(Photo: © Riro Yoshioka)
左の同じ場所を雨の降る日に再訪 雨に咲く姿は更に美しく見えます。


泰勝寺跡 立田山自然公園内にて
Photo:
(Photo: © Riro Yoshioka)
天然記念物立田山八重クチナシの表示がある木は頂部の葉を残すだけで花は無く、枯木寸前でした。友人のM君が「市民の声」に伝えたら、市公園課は日差しを遮っていた隣の木を直ちに剪定しました。消毒も直ぐに行うようです。
Photo:
(Photo: © Riro Yoshioka)
公園内の散策路沿いにはこんなのも咲いています。

名前花期所在地 合弁花類類草 ・ 木 もろもろ
立田山ヤエクチナシ
 
6月
 
熊本市
立田山
アカネ科
クチナシ属
常緑低木
 
「口無し」という和名:将棋盤や碁盤の脚の
クチナシの実をかたどってるが
これは、打ち手は無言、他人の口出しは無用という
いわゆる「口無し」を表しているのだろう。(植物の世界)

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