熊本博物館植物同好会のメンバーで小学校教諭をされていたM先生と植物観察に出かけた時のことです。何処かで見たようだが初めて見る花が咲いています。M先生は「ファインダーを通して見た花は場所も時期も記憶しているがこの花は初めて」と言われます。そこで熊本博物館の学芸員の先生に調べて頂くことにしました。「クモイオトギリといい、熊本県植物誌には記載されていなかったので、連絡しておきます。」とのことでした。
平凡社「日本の植物」より
「クモイオトギリ 茎は細く、そう生して分枝して、丈低く、高さ20-30cm。葉は密につき、幅狭く、倒披針形、長さ10-20mm、大きな明点が入り、縁に黒点があり、裏面は帯白色。花弁は長さ8mm。萼片と花弁に明線が入り、その縁にはサワオトギリに見られるような無柄または有柄の黒色腺球がつく。花柱は長さ3.2mmで、子房より少し長い。九州の高地(祖母山・阿蘇・市房山・霧島山)などの産。」